英国BBCTVの科学番組制作者サイモン・シン氏の著作で、一作目が
『フェルマーの最終定理』、二冊目は『暗号解読』そしてこの『宇宙創成』
が三作目になると思うが『フェルマーの定理』を読んで気に入ったのでこちらも
読み終えたので未読の『暗号解読』手に入れようと。
でも『フェルマーの定理』も『宇宙創成』も出来る限り数式を使わずに書かれている
のもかかわらず70%ほどしか理解出来ない。
けど読み出すと止まらない。おもしろい。
『フェルマーの定理』は各国の数学者達が競い合うように解明する過程、『宇宙創成』
もはるか古代からの宇宙についての謎を現代の「ビッグバン」までの天文学者や物理
学者達の研究の歴史を各エピソードとその時の学者達の思いや気持ち、人間性など
感情面までを書き綴っているのが興味津々でおもしろく読ませてくれる。
未読の『暗号解読』も第二次大戦中のドイツ軍の暗号(多分)を解き明かそうとする
人々の歴史を書いていると思うのですぐにでも読みたいのだが、いつもの書店には
上下刊の(上)しかないので二冊揃ってから購入予定。
多分この本も全体の3割は理解出来ないとは思うけど。
『宇宙創成』での「ビッグバン」は今は誰でも聞いた事のある宇宙の始まりを示した
爆発の事と知っていると思うが、この「ビッグバン」から“空間と時間”も生まれた、
の説明を読むと“では、その前は?”とこれまた誰もが浮かぶ疑問。
この宇宙が創世される前は「空間も時間も存在しない」のだが、これのイメージが
なかなか浮かばないし、この「空間も時間も存在しない」ところ(?)から「ビッグバン」
によって宇宙が生まれた・・・となるとますます“?”。
何が爆発した?
何も存在しない空間(さえも無い)から何が?
物理学者達は「無からビッグバンが起り宇宙が生まれた」のでなく「無形からビッグ
バンが起り宇宙が誕生した」と。
ビッグバンも最初は“ゆらぎ”から始まった、とな。
何が揺らいだ? わからん。
ま、それはそれとして確かに宇宙が存在するので銀河系、太陽系そして地球があって
人類がいて僕がいる。
で、
気の遠くなる昔に、僕も人類も地球も太陽系も銀河系も生まれる前の“時期”があった。
これを理解しようとすると確かに神の存在が必要だな。
いつもの書店でS・キングの新刊『夕暮れをすぎて』を見つけて即レジへ。
去年はこのキングさんの携帯電話を触媒として人々がゾンビ化する「セル」を楽しんだ後、
未読の「ダーク・タワー」シリーズも文庫で出ているので大人買いで一挙に読破を、と思っ
ていたけどあまりにも長編なので躊躇中。
この新刊の「夕暮れすぎて」は中短編7話と自身の序文と各エピソードについてのコメント
“サンセット・ノート”が読める。訳はS・キング作品ならやっぱり「白石 朗」「大森 望」
「池田真紀子」「深町眞理子」「風間賢二」各諸氏の豪華陣で安心。
今は映画化されているおもしろい小説が各作家によって多く出版されているけど短編でも
飽きさせない作品を書けるのはスティーヴン・キング氏だけかもわからない。
それと一番映画化が難しいのもキング作品と言われるけど「ミスト」はキング自身が絶賛
したエンディングの脚本だった。
キング作品での映画化は短編の方がいいのかもしれないので、この「夕暮れをすぎて」の
何篇かもすでに映画化の版権を獲っているのかもわからん。
と、
この本を紹介しようと書いていたらハード・カバーの長編上下刊「悪霊の島」も出てしまった。
うれし。