音楽私小説（１４） 『フォーク・グループ』

ギターのサウンド・ホール・・・ギターの真ん中の穴の上下にまるで筆に血をしたため
思いっきり振ったような・・・やせ浪人が町人を切ったような・・・血の跡がついていた。

右手をよく見ると人指し指の先ちょが真っ赤か。
それほど痛くもないし血が出ているところも全くたいした事のないスリキズ程度だった
がギターの弦を弾く上下の動作でハデに血が出ているように見えました。

普通ギターを弾く場合、大きく二つの奏法があります。
ひとつはプラスチック製のピックでコードを弾くか、アルペジオのように指で弾く・・・ですが
この時までコード・ストロークを人指し指でジャガジャガ弾いていました。

ピックで弾くのは知っていたがなんとなく上手く音が鳴らなかったのでいつも指。

当時、ピックでコードを押さえて唄のリズムを弾くのを“ピッキング”と言っていました。
ピックで弾くのだから“ピッキング”だと。
まあ、間違いではないのですが現在は“ストローク奏法”が一般的。

とにかくこんな事もありピックを使って弾くように進路変更しましたが、あのちっこい
ピックも当時の中学２年生には度胸のいる買い物。
なので、一番安いプラスチックの下敷きを文具店で買ってハサミで三角形に切り刻み
ピックの代わりにしていました。　みんな、ね。

しかしこの下敷きピックはギターを弾いている最中によく割れた。
それにすべるのか、演奏中にギターの穴の中によく落とす。
これがまたなかなか出て来ない。

とにかく無事に血まみれデビューを終えたのですが、ひとりで人前で唄うのは恥ずかしい
のでグループを組みたくなった。

で頭に浮かんだのは同級生でなくて近所の幼なじみのJちゃん。

（≒続く）

Comments

[投稿情報: 後輩の中尾です]

こんにちわぁ　ネットを回っていて偶然に来ました　広岡さんは　某高校のフォークギター部の部長さんではなかったでしょうか？　南野さんと唄っておられましたね　覚えておられないかもしれませんが　私はクラブの後輩で　大阪芸大に進んだ中尾です　今は「笛吹ピエロ」というネームで　イラストレーターをやってます　アニメとか作っています　もしも広岡さん間違いだったら　どうもすみませ～ん　失礼しました。。　　　　　

[投稿情報: ゆうすけ]

中尾君、覚えていますよ。

確か学際の時にTシャツを絵の具の入ったバケツに付けて模様を付けていた、と。

南野はどうしているんかな・・・。

PS：CD買って下さい。