『Davy Graham From Monkhouse To Medway 1963~1973』
前回に書きましたDavy Grahamの新譜CDが届き早速何度も聴いています。
全21曲が収録されていて「The Bob Monkhouse Acctate Early 1963」のスタジオ録音と
「Medway Folk Center,"The Old Ash Tree"August14 1973」のライブの構成です。
-The Bob Monkhouse Acctate Early 1963-
1.Careless Love
・・・Davyらしい肩に力がなく弾き慣れたフィンガー・ピッキングでのVo入りの曲。
2.Hallelujah,I Love Her So
・・・なんとRay Chariseの曲です。
3,Sunset Eyes
・・・ここでインスト曲が登場。この有名な曲をアコーステッィク・ギター1本で弾こうとは誰も考えないと思いますが、Davyが“人間ジューク・ボックス”と呼ばれた所以がよくわかります。
4,Southbound Train
・・・Big Bill Broonzyで有名なブルース・ナンバーで、Davyの弾くブルース・チューンはさすがにたっぷりと聴かせてもらえます。
5,Take Five
・・・Jazzチューンであまりも有名な曲ですが、Davyの他のアルバムに収録しているのとは別テイクです。
ここまでの5曲はスタジオ録音だと思われますが、リハサール・テイクかもわかりません。つまりLPには収めなかったトラックでは、と思います。とくにミス・トーン等があるわけではないのですが、本人が気に入らなかったのか、収録時間の問題であえてカットしたのかはわかりませんが、とにかく他のアルバムには収録されていません。もちろんこのディスクの別テイクの曲はありますが、ファンにはうれしい音源です。ただこれらの5曲にレコードの針ノイズのような雑音が入っています。ひょっとするとレコードからの音源なのかとも思いましたが、どの曲もいかにもリハぽい演奏で、曲の最後は普通はギターの音を伸ばしてフェード・アウトにするところをあえて手で弦を乱暴に押えて音を消していますので、やはりリハーサルのつもりで演奏したトラックだったのかもわかりません。
-Medway Folk Center,"The Old Ash Tree" August14 1973-
ここからはライブ録音で、ギターにはサウンド・ホールに取り付けるPic Upを使っています。
6,One Note Samba
・・・まさかDavyがAntonio Carlos Jobinの曲まで弾くのは意外でした。若い頃にはレストランで客が食事をする時のBGMをステージで弾いていたので、多くのジャンルの音楽も意欲的にギターに取り入れていたようです。
7,Prinsess Royal
・・・O'Carolanの宮廷曲で、Davyの見事な、そして軽快なアレンジが聴ける曲。
8,The Brisk Young Widow
・・・トラッド。ここでは無伴奏で唄っています。
9,Sunrise, Sunset
・・・エキゾチックな有名な曲で、普通はアコースティック・ギタリストは敬遠しがちな曲です。
10,Nothing To Do But Today
・・・なんとStephen Stilleの曲をDavyが弾くとは! やはりギターの名手スティーヴン・スティルスなのですが、その曲をDavyがアレンジすると・・・なるほど!と。
11,Pennies From Heaven
12,The Preacher
・・・この2曲の名曲は誰もが一度は耳にしたことがあると思います。
13,Sarabande
・・・バッハ、ヘンデルではなくヴァイスことRobert De Visceのサラバンドです。
14,Oliver
・・・やはり昔からの定番と呼ばれている名曲。
15,Greek Instrmental
・・・トラッド・チューン。おそらくフィドル・チューンではないかと思います。
16,How Come You Do Me Like You Do?
・・・Roy Bergereのこれまたブルースが好きな者にはよく知られているブルース・ナンバー。
17,Groovyyaard
・・・モダン・ジャズの名曲。Davyはこの曲は別テイクでも別アルバム2枚にも収録しており、ここでの演奏はゆったりとリラックスして楽しんで弾いているようです。
18,You've Got A Friend In Me
・・・6曲目と10曲目にもそうですが、このCarole Kingの大ヒット・ナンバーにも驚きました。
それに客席も一緒に唄っています。
19,Irish Pipe Tunes
・・・John Renbournを彷彿するような6曲からの組曲風にアレンジされたトラッド・チューン。
20,I Get A Kick Out Of You
・・・名作曲家Cole Poterのナンバーをアレンジ。
この曲がこのライブのラストのようなのかしきりと客席から「アンコール!」の声、声!。
21,Ode To Billie Jo
・・・アンコール曲。Davyを招いたこのライブを催した方なのか、それともCDには収録はされていませんが、この日に出演した人だと思われる女性がDavyのバッキングで歌います。マラカスでリズムを取っていて、唄いっぷりからプロの方だと思われます。
このライブの音質は聴くまでは少し不安でしたがまずまず良好だと思います。
それにしても、海外でのライブを聴くとよく思うのですが、むこうでは演奏中でも聴きに来ている客は結構客席でしゃべります。もちろん演奏が終わった後のアクションも拍手などもすごいのですけど。ステファン・グロスマンが初来日した時には「日本のオーディエンスは大変礼儀正しく静かに聴いていただけるのに驚きました。もちろん感激しています。ただ少し緊張しますが・・・」と感想でした。
さあ、この先もDavy Grahamの音源が続いて見つかって欲しい!
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