以前からずっと読みたかった一冊の本を読み終わりました。
『バッハとの対話/バッハ研究の最前線』
著者:小林義武
発行:小学館
発行:2002年6月20日初版
価格:3800円
421ページのハードカヴァー仕様。
著者の小林義武氏は1942年生まれ。 66年に東大文学部美術科卒後、同年オーストリア政府奨学生としてウィーン大学に留学し音楽学を専攻。 67年にドイツ・ゲッティンゲン大学へ転学。 71年から72年まで同大学の音楽研究所で副助手。 73年に博士号取得。 74年から91年まで在ゲッティンゲン・J.S.Bach研究所学術研究員。 91年から99年まで同志社女子大学学芸学部音楽科教授。 98年年ドイツ・ドルトムント大学客員教授。 99年以来成城大学文芸部芸術学科教授。
受賞:1996年辻壮一・三浦アンナ記念学術奨励賞受賞
著作:『バッハ復活』(日本エディタースクール出版部/改訂版は春秋社) 『バッハ-伝承の謎を追う』(春秋社)他ドイツ語での著作は多数。
と、ここまで小林義武氏の簡単な経歴を書かせていただきましたが、バッハ研究については世界中の中で最も知識と経験が豊富な研究者だと言われています。
それにしても僕が3月に「日本バラッド協会」のシンポジウムのために行った京都同志社女子大で教壇に立っていたとは!!
で、この本の内容を簡単に触れると、音楽家の中でも非常に多作であったヨハン・セバスチャン・バッハの遺した作品を「新バッハ全集」の編纂にあたり現在残っている楽譜から真贋と作曲年代等の研究成果が中心に書いてあります。
バッハ作品の残っている楽譜はバッハ自らの手書きは少なく、殆どが妻、息子達(殆どが音楽家)、多くの弟子達の写譜なので、中にはバッハ以外の作品も混ざっていたり写し間違いが多くある。
それに「何年作曲」等の署名は楽譜には書いていないので他のモーツアルト、ベートーヴェンのように作曲年の判断が非常に難しいようです。
ちなみにバッハ作品で有名な「BWV 〇〇〇」は作曲の年順ではなくて作品のジャンル分けの番号です。従って「BWV 100」と「BWV 200」では100番が先に書かれた作品とは限らない、のです。
で、どのようにして楽譜から作曲の年代を調べるのか?
方法のひとつは楽譜が書かれている紙の年代の判定。
と言っても電子顕微鏡等で繊維等を調べたり放射能測定なのかと思っていたら、当時の楽譜用に使われていた紙には業者によって様々な透かし模様が施されておりそれを比較対象とする方法。
この時代の紙は日本と同じく手漉きで作られていたようで、日本の場合は薄い竹製で網目の箱のような容器に梳いた紙を何度も梳き、ドイツでは竹の代わりに細い針金を使用して、真ん中程にエンブレムのようなマークを入れていたようです。
ようするに紙を明るい方向に透かして見ると薄いマークが浮かび上がるのでその形状から何年に作られた紙かを判断する。
しかし例えば1600年に作られた紙でも楽譜を書いたのは1605年なのかもわからない。
他の作曲年代方法は楽譜に書かれたバッハ自身の各音符、休符やト音、ヘ音記号等の年代とともに変化していく形状の比較。
もちろん他人が書いたそっくりなのもあるそうですが。
もちろん他にも多くの事から総合して年代を判別していくのですが、過去においてバッハの作品として知れていた作品の中には真偽不能、同年代の他の作曲家の作品等も多くわかってきたようです。
ともかくこの本は読んでいて推理小説のようなわくわく感があり大変おもしろく、またバッハについて多くの知識も得られました。
超良書!
------------------------------------------------
で、久しぶりの更新完了。
バッハ作品の300曲程をギターにアレンジしていますが最近は手直し(再アレンジ)しております。
アレンジをし始めた数年前の楽譜を今見るとギターで演奏するには不可能であるのが数曲見つかったのと、ここまで原曲のオルガン譜に忠実にすることもないと考えもっと実用的に書き直しております。
で、
まだまだアメリカのTVドラマ作品にハマッている。
DVDをレンタルしていますが「ER」もファイナル・シーズンを残すところまで観ました。もちろん他にもいろいろと借りていますが劇場作品、つまり映画作品はインパクトのある作品が少なく感じて来ました。
まあ、DVDをレンタルして観やんとちゃんと劇場のでかいスクリーンで観んなアカンのんやけど。
この4月にヤマハの音楽講師の「全体研修」のために梅田のスカイタワービルに行って来ました。
こんなトコ、普段はなんの用事もないので初めて行ったのですが、まあ変な場所に建っとる。
ヨドバシカメラまでは知っているので初めてでもなんとかなるやろ、と思って行ったのですが。
梅田の駅出てからスカイタワーが見えるのでその方向に歩いてもぜんぜん近づかへんやんけ。
話では「地下道」を通る、て聞いていたから地下街かと思っていたら本当の地下道やった。
なんでも80年(40年?)前からある薄暗い、夜はやばい長い地下道てことで有名らしい。
けったない所にあんな近代的な高層ビル建っとうる。
来月、僕の友人の北村龍平監督の映画がココで封切り上映されるのでもう一度行くなアカンねんけどね。
せめてナンバ・パークスタワーの映画館で上映してくれればよかったのに。
----------広岡祐一/2013年04月23日記------------
『バッハとの対話/バッハ研究の最前線』
著者:小林義武
発行:小学館
発行:2002年6月20日初版
価格:3800円
421ページのハードカヴァー仕様。
著者の小林義武氏は1942年生まれ。 66年に東大文学部美術科卒後、同年オーストリア政府奨学生としてウィーン大学に留学し音楽学を専攻。 67年にドイツ・ゲッティンゲン大学へ転学。 71年から72年まで同大学の音楽研究所で副助手。 73年に博士号取得。 74年から91年まで在ゲッティンゲン・J.S.Bach研究所学術研究員。 91年から99年まで同志社女子大学学芸学部音楽科教授。 98年年ドイツ・ドルトムント大学客員教授。 99年以来成城大学文芸部芸術学科教授。
受賞:1996年辻壮一・三浦アンナ記念学術奨励賞受賞
著作:『バッハ復活』(日本エディタースクール出版部/改訂版は春秋社) 『バッハ-伝承の謎を追う』(春秋社)他ドイツ語での著作は多数。
と、ここまで小林義武氏の簡単な経歴を書かせていただきましたが、バッハ研究については世界中の中で最も知識と経験が豊富な研究者だと言われています。
それにしても僕が3月に「日本バラッド協会」のシンポジウムのために行った京都同志社女子大で教壇に立っていたとは!!
で、この本の内容を簡単に触れると、音楽家の中でも非常に多作であったヨハン・セバスチャン・バッハの遺した作品を「新バッハ全集」の編纂にあたり現在残っている楽譜から真贋と作曲年代等の研究成果が中心に書いてあります。
バッハ作品の残っている楽譜はバッハ自らの手書きは少なく、殆どが妻、息子達(殆どが音楽家)、多くの弟子達の写譜なので、中にはバッハ以外の作品も混ざっていたり写し間違いが多くある。
それに「何年作曲」等の署名は楽譜には書いていないので他のモーツアルト、ベートーヴェンのように作曲年の判断が非常に難しいようです。
ちなみにバッハ作品で有名な「BWV 〇〇〇」は作曲の年順ではなくて作品のジャンル分けの番号です。従って「BWV 100」と「BWV 200」では100番が先に書かれた作品とは限らない、のです。
で、どのようにして楽譜から作曲の年代を調べるのか?
方法のひとつは楽譜が書かれている紙の年代の判定。
と言っても電子顕微鏡等で繊維等を調べたり放射能測定なのかと思っていたら、当時の楽譜用に使われていた紙には業者によって様々な透かし模様が施されておりそれを比較対象とする方法。
この時代の紙は日本と同じく手漉きで作られていたようで、日本の場合は薄い竹製で網目の箱のような容器に梳いた紙を何度も梳き、ドイツでは竹の代わりに細い針金を使用して、真ん中程にエンブレムのようなマークを入れていたようです。
ようするに紙を明るい方向に透かして見ると薄いマークが浮かび上がるのでその形状から何年に作られた紙かを判断する。
しかし例えば1600年に作られた紙でも楽譜を書いたのは1605年なのかもわからない。
他の作曲年代方法は楽譜に書かれたバッハ自身の各音符、休符やト音、ヘ音記号等の年代とともに変化していく形状の比較。
もちろん他人が書いたそっくりなのもあるそうですが。
もちろん他にも多くの事から総合して年代を判別していくのですが、過去においてバッハの作品として知れていた作品の中には真偽不能、同年代の他の作曲家の作品等も多くわかってきたようです。
ともかくこの本は読んでいて推理小説のようなわくわく感があり大変おもしろく、またバッハについて多くの知識も得られました。
超良書!
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で、久しぶりの更新完了。
バッハ作品の300曲程をギターにアレンジしていますが最近は手直し(再アレンジ)しております。
アレンジをし始めた数年前の楽譜を今見るとギターで演奏するには不可能であるのが数曲見つかったのと、ここまで原曲のオルガン譜に忠実にすることもないと考えもっと実用的に書き直しております。
で、
まだまだアメリカのTVドラマ作品にハマッている。
DVDをレンタルしていますが「ER」もファイナル・シーズンを残すところまで観ました。もちろん他にもいろいろと借りていますが劇場作品、つまり映画作品はインパクトのある作品が少なく感じて来ました。
まあ、DVDをレンタルして観やんとちゃんと劇場のでかいスクリーンで観んなアカンのんやけど。
この4月にヤマハの音楽講師の「全体研修」のために梅田のスカイタワービルに行って来ました。
こんなトコ、普段はなんの用事もないので初めて行ったのですが、まあ変な場所に建っとる。
ヨドバシカメラまでは知っているので初めてでもなんとかなるやろ、と思って行ったのですが。
梅田の駅出てからスカイタワーが見えるのでその方向に歩いてもぜんぜん近づかへんやんけ。
話では「地下道」を通る、て聞いていたから地下街かと思っていたら本当の地下道やった。
なんでも80年(40年?)前からある薄暗い、夜はやばい長い地下道てことで有名らしい。
けったない所にあんな近代的な高層ビル建っとうる。
来月、僕の友人の北村龍平監督の映画がココで封切り上映されるのでもう一度行くなアカンねんけどね。
せめてナンバ・パークスタワーの映画館で上映してくれればよかったのに。
----------広岡祐一/2013年04月23日記------------
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