生徒さんの希望で60年代~70年代当時のフォーク、ポップス曲を教材にするために今アレンジも兼ねて書いています。
フォーク・ブーム時は「シンガー、ソング・ライター」…つまり誰でも自分で作詞作曲そして歌う…のがごく普通でその中には多くの名曲も生まれていますが、同じ時期の日本のポップス(まだ歌謡曲と呼んでいましたが)を今見ると当時はわからなかったのですが、さすがに作曲家の書いた曲のアレンジは上手いですね。
とくにコードの付け方…コード・プログレッションがさすがにアマチュアとは違うように思えます。フォークの場合はアマチュアがそのままプロになった方が殆どで、その多くはとくに音楽の専門的な教育は受けていないと思われます。もちろん五線紙に音符を書けた人もほとんどいなかったはずです。
もちろん音符を書ければ良い曲が出来るわけでもないし、またプロの歌手としても絶対条件でもありませんが、当時も今も作曲家(ポップス、演歌、それにフォーク・ソングを作るにも)とよばれる方は音大卒やしっかりと音楽理論等を習得された方がほとんどです。
フォークが入りやすかった理由のひとつにはコードがシンプルであったのもその理由かもわかりません。例えば当時誰もがギターを弾いて歌った「若者たち」はG、D7、B7、Em、C等ギターを弾き始めて最初に覚えるコードが出てきます。
佐竹俊郎氏の名曲「今はもう誰も」はC、Dm、E7、G7で初心者が最初につまづくFもありません。
もちろんAm7(b5)やF7(#9)のようなテンション・コードを付ければ名曲になるわけもないのですが、今は亡き坂本九さんの「上を向いて歩こう」、アメリカや海外で「SUKIYAKI SONG」の変なタイトルで世界的なこの大ヒットしたこの曲のコードは、F-Dm7-F-Dm7-F-Am-Dm7-C7-F-Gm7-Bb6-A7-F~と続きます。あと作曲が本業ではない「若大将」こと加山雄三氏の「暗い夜」はGmaj7-A9-Gmaj7-A9-G.G6.Gmaj7-G6-Gmaj7-Ab9-Ab7-G9-Eb9-C6add9-~と続いて行きますが当時は僕にはこういったコードはお手上げでした。
何度も書きますが、小難しいコードを付ければ良い曲が出来る訳では決してありませんが、どういったジャンルの音楽であっても音楽の知識、理論を得ていると音楽性が広がって行くのは確かだと感じます。
1973年のヤマハのポプコン…ポピュラー・ミュージック・コンテストでグランプリを獲り、当時大ヒットした小阪明子さんの「あなた」のコードは、
D-F#m-Em7-A7-F#m7(b5)-B7-Em-Gm-Asusu4-D-F#m-G-F#7-Bm-G-Em7-A7-D-F#m-Em7-A7-F#7(b5)-B7-Em-Gm-Asus4…
と続く美しい旋律を持った曲です。
この小阪明子さんは確か当時は15才前後の年齢でした。
(と言っても、彼女のお父さんはすごい人なのですが)
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