ギブソンJ-50の表面板の幾つものニス割れを眺めていると、まるで骨董品の壷のような“わびさび”を感じる模様に見えて来ました。
このギターは新品として手にして15年程しか経っていないのですがマーチンに比べて塗装の割れが入るのがかなり早いと思います。
マーチンの000-28は、これも新品で購入してから30年程は経っているのですが、ギブソンほどにニス割れの数は多くありません。
このふたつのメーカーのフィニッシュ塗装の仕様は異なるのですがマーチンは刷毛を仕様しているようです。
と言っても今のAJタイプはわかりませんがSQタイプはそのはずで、ギブソンは他の多くのメーカーと同じくスプレー仕様だと思います。
この表面板に現れるニス割れの模様はまるで人の指紋のように全く同じモノはなく、またギターの製作された年代によってそれぞれ個性が出ています。
教室のある三木楽器アメリカ村店の2Fの店頭にマーチン、ギブソン、ギルド、ラリビー他オールドやヴィンテージ・ギターが数多く展示されているのですが、それぞれ大変個性のよく出ているニス割れの模様が見れておもしろいもんです。
例えばギブソンの同じモデル…例えばJ-50でもその製造年代によって特徴の異なる模様が現れていてその違いがよくわかります。
このニス割れ自体は音に影響は全くないはずなのですが、この“割れ”の状態が“剥がれ”になると表面板の地が露出してしまうので塗装をし直す事もあります。この場合は表面板前面のニスを全て取り除いた後にあらためて塗り直すのですが、新品で買った自分のギターがそこまで行く事はまず年数的に無いと思います。
オールドも良く鳴っているのが多いので魅力的ですが、新しいギターを手にして自分と一緒に年齢を重ねて行くのもなかなかいいもんです。ちなみに僕が新品で購入して一番年月を重ねているギターは「イバニーズ」のアコースティック・ギターで35年位。
味わい深い音で鳴ってくれています。
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