で、
「完全5度」をくり返して他の協和音を導きだします。
わかり易く1度をC/ドとします。もちろん前回にも書きましたが、この時代では
“1度”や“5度”等の数字や“C/ド”などと呼んでいたわけではありません。
数字やド、レ…はもっと後の時代に考えられます。
①C/ド→完全5度上→G/ソ
②G/ソ→完全5度上→D/レ
③D/レ→完全5度上→A/ラ
④A/ラ→完全5度上→E/ミ
⑤E/ミ→完全5度上→B/シ
⑥B/シ→完全5度上→F#/ファ#
・・・ここでF/ファの半音高いF#/ファ#というように#が付きましたが、その理由は
完全5度は、例えばC/ドを1度とした場合に5度上のG/ソ(①C・②D・③E④F・⑤G)
が導かれますが、このCと5度上のGの間には全音や半音を合わせて3.5の開き
があります。
つまりC/ドから2度上のD/レの間にはC/ドの半音高いC#/ドのシャープもしくはレの
半音低いDb/レのフラットがあります。ピアノでは二つの白鍵の間に黒鍵がこれにあ
たる音で、C#/ドのシャープとDb/レのフラットは同じ音になります。名前は違うけど同じ
音を「異音同名/エンハーモニクス」とも呼んでいます。
上のB/シから完全5度上の音はF#/ファ#とシャープが付くのは、
1/B-2/C-3/D-4/E-5/Fと音名はFですが、
・(B/シ)-(C/ド)・・・この間に音(黒鍵)はないので音程は半音/0.5
・(C/ド)-C#/ド#-(D/レ)・・・半音は2個なので0.5×2で全音/1.0
・(D/レ)-D#/レ#-(E/ミ)・・・半音は2個なので0.5×2で全音/1.0
・(E/ミ)-(F/ファ)・・・この間に音(黒鍵)はないので音程は半音/0.5
ここまでで(B)から数えて5番目は(F)になりますが全ての全音/1.0と半音/0.5を
合わせると3.0で0.5足りません・・・半音低いと考えます。
そこで完全5度の音程の3.5にするために半音広げます・・・半音高くするために
#を付けます。すると(E/ミ)-F/ファ-(F#/ファ#)というようになり3.5に広がります。
それと「F#/ファ#」は先程の異音同名で「Gb/ソのフラット」と同じ音になります。
これも大事な事で、ファの半音高いファ#とソの半音低いソbは鍵盤上では同じ場所です。
しかし同じ音なのだからどちらの読み方でも良いわけではありません。
その事については後日に。
では続きを…
⑦F#/ファ#(=Gb/ソb)→完全5度上→C#/ド#(=Db/レb)
⑧C#/ド#(=Db/レb)→完全5度上→G#/ソ#(=Ab/ラb)
⑨G#/ソ#(=Ab/ラb)→完全5度上→D#/レ#(=Eb/ミb)
⑩D#/レ#(=Eb/ミb)→完全5度上→A#/ラ#(=Bb/シb)
⑪A#/ラ#(=Bb/シb)→完全5度上→E#/ミ#(=F/ファ)
⑫E#/ミ#(=F/ファ)→完全5度上→B#/シ#(=C/ド)
と完全5度を12回繰り返した後に再びCが出て来るのでこの先をくり返す必要がないので
12個の音が見つかったところで終わりにします。
ただこの完全5度を12回くり返した場合は7オクターブにも広がるので全ての音を1オクターブに
入れて並べると、
①C-②C#-③D‐④D#-⑤E-⑥F-⑦F#-⑧G-⑨G#-⑩A-⑪A#-⑫B
①ド‐②ド#-③レ‐④レ#-⑤ミ‐⑥ファ‐⑦ファ#-⑧ソ‐⑨ソ#-⑩ラ‐⑪ラ#-⑫シ
この方法で無事にめでたく御馴染みの音階が完成したように思うのですが、
実は困ったことになっていたのです。
しゆあげいん
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