マーチの名曲「星条旗よ永遠なれ」をソロ・ギターにアレンジするために楽譜を探していると、
伝説のピアニストで今も世界中の人から賞賛されているホロヴィッツ氏のピアノ譜に行き当
たりました。
当時から超絶技巧の演奏で名を知らしめしているホロヴィッツ氏のピアノ一台でのこの曲が
録音されているCDの各サイトのレビューを見ても「ピアノ一台で演奏されているとは信じられ
ない!」等と絶賛されているのがよくわかります。もちろんクラシックのピアノ曲には高度な演
奏技術を要する難易度の高い曲も多くあり世界中の著名なピアニストの中でもこの人はとくに
秀でた実力の持主です。
で、
この演奏技術での『超絶技巧』について調べてみました。
西洋音楽は中世の修道院での宗教音楽からやがて王侯貴族、宮廷の世俗音楽へと広がり、
やがて庶民の中から生まれた裕福層がお気に入りの音楽家を抱えるパトロンも誕生しました。
19世紀では富豪の館には音楽室…サロンを設け社会的に上位の人間や貴族などを客として
招き、音楽会を開くのが恒例となっています。このパトロンの中にはお気に入りの音楽家を雇
いこのような音楽会での演奏以外の他にも自らレッスンを受け音楽を嗜み職業音楽家を凌ぐ
実力を持った貴族もいました。しかし成金の金持ちにとっては見栄を張るためのステータスで
もあったようです。
・・・社会的に地位を持つ客を招き、噂になった音楽家を雇い演奏をお披露目させ悦に入る・・・
の図です。
ベートーヴェンの弟子であるカール・ツェルニーは、
「聴衆の多くには感銘を与えるよりは、アッ!と言わせる方が簡単な客」と。
ゆったりとひとつひとつの音をレガートで美しく弾くよりも、やたら早く強く大袈裟な身振りで
演奏する方が受けが良いのを皮肉っています。
もちろん演奏技術での技巧は音楽には必要であり、その技術を演奏者が得るには練習を
積まなくては身に付きません。
で、
それまでになかった『超絶技巧』で他の音楽家に衝撃を与えのは、1782年から1840年に生きた
伝説のヴァイオリニストのニコロ・パガニーニと言われています。
「悪魔に魂を売って技術を手にした」と言われているこの超天才ヴァイオリニストの演奏を目の
当たりにしてそれまでの自分の演奏を完全に作り変えたと言われるのがフランツ・リスト。
現在にもいろいろな音楽の各ジャンルには多くの「超絶技巧」派のミュージシャンが活躍しており、
海外ではE・ギターでの世界速弾きコンテストも開かれて♪=280で16分音符のパッセージを弾く
化け物のような方もいて驚きです。
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