レッスンでのアドバイスは主に、*その音は指を離さず音を残し、次の音と重ねる・・・*リズムをキープ・・・*もっとクリアな音を出す・・・等など具体的なアドバイスがやはり多くなります。
これが歌なら、*この言葉にもっと感情を込めて・・・*別れた恋人を想って・・・とか「その音はもっと高く」などの具体的なアドバイスも在ると思います。
もちろんギターのインスト・チューンでも*この音はもっと哀愁を漂わせて弾く・・・等の言い方もありますが、これらはレッスン上でのアドバイス。
ではオーケストラを指揮をする指揮者はどのような言葉を用いているのか?もちろん「この楽章からテンポを上げて」「この休符の長さはたっぷりとる」「もっともっと強く音を出して欲しい」と具体的な指示もありますが、曲想や情感においても「こう弾いて欲しい」と“指揮”します。その時に使う言葉が大変おもしろくて興味があります。
*「ここではヨーロッパ北部の古い街並みを風に乗った鳥が見ている・・・俯瞰で音を出して下さい」*「40度くらいの熱で、ヴィヴラートを思い切りかけて」*「おしゃべりな婆さん達が口論している調子で」*「いきなり握手するのでなく、まず相手の産毛に触れてから肌に到達する感じで」*「ここではもっと喜びを爆発させて、ただし狩人ではなく猟犬の歓喜を」以上は実際に指揮者がリハーサルでオーケストラの団員に放った言葉で、このような言葉を「わざ言語」と称します。
それにしてもなんとなく理解出来るのもありますが、これを聞いて「わかりました。そのように弾きます」と指揮者の意図を理解してその音が出せる・・・のがすごい、と思う。
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