5.Rain And Snow/雨と雪
Bert Jansch:banjo & piano
John Renbourn:sitar
Jacqui McShee:vocal
Terry Cox:drum & vocal & tamblin
Danny Thompson:double bass
4thアルバム「Basket of Light」の雰囲気を持ったアパラチア地方に残っている伝承曲で、大変テンポの良い、日本人が聴くと馴染みのあるメロディを持った曲で彼らのステージでの定番曲です。
この曲でバート・ヤンシュはアルバム初のピアノを聴かせてくれています。後に出た彼の全曲がインスト・チューンのソロ・アルバム「アボゼット」でも数曲をピアノを弾いていますが、当時はバートがピアノを弾けるとは知らなかったので誰が弾いているのか?とファンの間で話題になりました。
~Rain And Snow~ (訳詞)
追い出された 冷たい雨と雪の中に
私の選んだ妻は 苦しみしか与えてくれない
私を冷たい雨と雪の中に追いやった
雨と雪 雨と雪
私を冷たい雨と雪の中に追いやった
彼女は階段を駆け下りてきた 長い金髪を後に流して
頬はバラのように赤かった バラのように赤かった
頬はバラのように赤かった
彼女は部屋に入り 運命を決めた
「もうあなたとはやっていけない あなたとは あなたとは」
彼女は言った「もうあなたとは やっていけない」
「わたしの欲しいものを あたなは与えようとしない
こんな扱いにはもう耐えられない このままでは このままでは
わたしはもう耐えられない」
*「わたしが稼いだお金を こっそりと数えるのを見た
わたしには食べるものもない 食べるものもない それを買うお金もない
食べるものもない それを買うお金もない」
*くり返し
追い出された 冷たい雨と雪の中に
・・・・・・・・・
なんか夫婦間のトラブルのようです。
他のバラッドとおなじく詳しい描写、具体的な言葉を歌詞に載っていませんが、この旦那、この後が気になります。
6.So Clear/ソー・クリア
John Renbourn:acoustic guitar & electric guitar & vocal
Bert Jansch:piano
Danny Thompson:dublebass
ジョン・レンボーンのオリジナルの弾語り曲。
大変美しい旋律と韻を踏んだ歌詞、メンバーのジャッキーもお気に入りで間違いなく名曲。
ジョンの1979年の2回目の単独来日時に大阪の南御堂会館のステージでこの曲を聴きました。
もちろんジョンのソロですが、最高の演奏でした!
<ジャッキーの証言>
「このアルバムのどの曲も好きだったけれど、ジョンのSo Clearは特にお気に入りだった。彼はダニーとバートの2人と一緒に納得がゆくまで何度も繰り返しあの曲を演奏していた。ジョンはめったに歌詞を書かなかったけれど、あれはまさに彼の曲だった・・・」
~So Clear~ (訳詞)
雨の季節に あなたは汽車を待っていた
昼 発ったあなたは まだ独りぼっちだった
あなたにはわかっているのだろうか どうしてこうなったのか説明出来るのだろうか
旅行鞄を持った悲しい女はただこう言った いつだって起りえる事が起きたに過ぎないと
サーカスの騎手 トゥールーズ 無邪気に笑って
輝きを失うことなく 陽が昇るまで走り続けて
あなたの瞳は星のように輝いている
誰のせいにもすることも出来ず 誰にも話せない悲しい物語が
雨とともにあなたに降り落ちてくるだろう
あなたの美しい歌が聴こえると 言葉を失ってしまう
彼女の髪に月が映ったなら つらい孤独は消え去り
そこに何かを見つけるだろう
誰にも語られていないことを 今もひとつ覚えている
ほんの少し歪んだガラスの心が あなたを守っている
海岸にもハイウェイにも あなたの名前を知る者はいない
何もかわっていないのは不思議なこと けれどあなたにはわかっている
本当に変わってしまうものなど何もないと
・・・・・・・・
やはり訳詞では哲学的な詩のようになりますが…。
この曲ではジョンの歌声とアコースティック・ギター、そしてセミアコをオーバー・ダビングで弾いていますが、この曲で初めてマーチンを使用しています。あとにも先にもペンタングルでもソロでもこの1曲だけです。
品番は…確か…Dの…Dの…あまり見ない品番で……わ、わすれた。
( to 44)
☆☆☆☆☆
*ジョン・レンボーンの1978年にステファン・グロスマンとの初来日の翌年79年のライブはほとんど全部聴きに行きました。関西では最初に京都のライブ・ハウスで2回、その後大阪では南御堂会館のコンサート・ホールでの演奏でしたがこの2回の京都ライブは客席とPAさんからラインをもらい録音しました。
大阪はライブ・ハウスでなくコンサート・ホールだったのと先の2回ライブの演奏した曲とは同じだろう、と思い録音機を持って行きませんでした。
この時はジョンが数曲を演奏した時に次の曲のためにチューニングを替えている最中になんと③弦がステージで切れました。どうするのかな?と思っていたら足元に用意してあった替弦の袋を破りほんの数秒で弦を張替えました。
おそらく1分も時間はかかっていない必殺の弦交換でした。
で、
弦を張り替えて突然演奏した曲が「So Clear」だったのです。
友人のギタリスト数人で隣同士の席にいた僕たちは、この曲が始まった瞬間「あ!?」「えっ?」「うっ!?」「な、なんと!」とか異口同音の叫び声を同時に発したのですが、この日の他の観客全員も多分同じアクションで「うわぁ~!」と驚いて一瞬心が通じたような良い雰囲気が漂いました。
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