毎年6月21日はパリ市主催の「パリ音楽祭」が開かれている一日です。
1982年に第一回目が開催されたこの音楽イベントは、当時の文化大臣と某音楽ディレクターがある報告書の内容を読んだ時に思い付いたそうです。
その報告書には、
「フランス人の子供の二人のうち一人は楽器や歌を習得している」といった内容。
それを読んだ彼らは「その子達を路上に引っ張りだしたらどうなる?」と思い付き、そして考えたコンセプトは、
『どこにでも音楽を。でもコンサートはどこにもない』というもの。
この何気ないひらめきから文化省の「一緒に音楽を作ろう!」の呼びかけに子供達や音大生、アマチュア音楽家、町中の音楽好きの人々が家の中から楽器を外に持ち出した!
そして2回目のこの日に文化省はプロ・ミュージシャンやオーケストラにも、『ホールを去れ!街に出よ!』と激励。
その呼びかけにプロのオーケストラ団員達も応え公園等に集まり路上演奏を楽しむように!
現在もこの日には公園、橋の上、橋の下、路地、教会、道端、病院、カフェ、駅、刑務所、学校とあらゆるどんな場所でも演奏を許された一日で、事前登録や演奏場所の許可も全く必要がありません。
もちろん演奏する音楽のジャンルもクラシック、ジャズ、ロック、ボサノヴァ、聖歌、オペラ・・・と何でもOKで、とにかくこの日はみんなで音楽を楽しむ日!!
今ではこの音楽祭は他のヨーロッパの各都市や南米やアメリカにも広がり世界百十各国、四百二十の都市で毎年開催されています。
そして日本もこの「音楽の日」に参加したくて(ああ、やっぱり、ね)このイベントの主催団体(ADCEP)に話を聞きに行き、
「この音楽祭の目的は?」
「今までどのような効果があったのか?」
「パリ市の活性化のために始めたのか?」
とかの多くの質問をしたそうで、それらの質問に対して担当者は開口一番、
『楽しいから!』
と答えたそうです。
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*今回はヤマハ株式会社発行の「音遊人」2012年3号から記事の抜粋、参考にさせていただいています。
---------------------広岡祐一/2012年2月3日記-----------------------
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