最近「歌声喫茶」が復活し人気が出ている、との記事を読みました。
この「歌声喫茶」とはなんのこっちゃ?と思われる人が多いと思いますが、
1960年前後に現れた「みんなで歌を歌う」喫茶店です。
背景には60年安保などの社会情勢があり、歌はロシア民謡等が一般的です。
同じ頃にあのフォーク・ブームも起こり「フォーク喫茶」が出現しはじめたのですが、
この時代には様々な喫茶店が日本中にありました。
☆歌声喫茶
☆フォーク喫茶
☆純喫茶
☆名曲喫茶
☆ジャズ喫茶
等など。
「純喫茶」は普通の喫茶店でとくに音楽等に特色があるわけでなく、
店内に音楽を流していることもありません。
(有線放送もまだない時代です)
「名曲喫茶」は店の作り構えも高級感があり、店内ではクラシックの名曲をレコードで、
それもハイ・レベルな業務用のステレオ機器で流します。
同じく業務用のステレオを設置してジャズのレコードを聴かせてくれるのが
「ジャズ喫茶」で殆どの店ではライブ演奏は行っていません。
店の作りも「名曲喫茶」のような高級感溢れる店構えではなく、
どちらかと言えば「怪しい」雰囲気が多いのですが、店作りにお金をかけずに音響機器、
ようするにレコード・プレイヤー(ターン・テーブル)、アンプ、スピーカー類に
お金をかけている店が多いので、そういった機材を見るのも楽しかったです。
「フォーク喫茶」はごく普通の喫茶店の店内のテーブルを隅に寄せてひとり、
またはふたりが座って弾語り出来るスペースを作ったような感じの喫茶店です。
今のステージがありPA類も照明も完備した「ライブ・ハウス」はまだまだ少なく、
“ライブ”という言葉も聞きなれない時代で“生演奏の出来る(聴ける)喫茶店”が
一般的な呼び方で、大阪で有名なのは今は無きナンバの『ディラン』。
フォーク・デュオ“ディランⅡ(セカンド)”の大塚まさじさんの小さな店で、
フォーク・ソングもまだまだ反戦歌、反体制を歌っていた良き時代。
大阪に来たプロの方も必ずこの店に顔を出していたので、
いつ行っても当時のプロのフォーク・ミュージシャンがゴロゴロしていました。
何年か前から東京でこの「フォーク喫茶」が復活して、
今は一般の会社員など音楽の仕事はしていない人達で当時レコードを
出していたプロが何十年か振りに歌っているようです。
聴きに来る人も僕と同年輩がやはり一番多く結構賑わっているようです。
こちら大阪にはもうこのような店は無理でしょう。
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