最近購入したCD『中世・ルネサンス音楽への招待状』。
指揮はベルギーのPaul Van Nevel/パウル・ファン・ネーヴェル、
演奏をHuelgas Ensemble/ウェルガス・アンサンブルで、
13世紀から17世紀までの中世・ルネサンス音楽を
全11曲を収録されている。
①曲目は、北スペインの町ラス・ウエルズの女子修道院所蔵の
14世紀初頭の手書き写本の中からの聖歌『Ex illustri/輝かしき
血統より生まれたし』。
“キリストの花嫁”となった聖女カテリーナへの賛歌を讃えた女性の
3声ポリフォニー(多声)の
手法で唄われている。現在では聴けない教会旋法での美しい旋律。
②曲目は14世紀後半のフランスのフォアの一部とベアルンを治めていた君主ガストン3世が宮廷に
すぐれた音楽家たちを集め創作を競わせて、その中のソラージュ作の『Fnmeux fume/くすぶった男が』。
こちらは男性3人のポリフォニー。聴いていると異様で不思議な感覚を覚えるのは詞にある阿片のせいか。
『くすぶった男が』
くすぶった男が燻らせている、煙りで煙った思案を。
他の者もその思いを燻らせるがよい
燻った男が燻らせている
燻らせるのが男には楽しいからだ
そうしようと思っている限りは。
燻った男が燻らせている、煙りで煙った思案を。
(訳/細川哲士氏)
なんとも不思議な詞でその旋律も不思議に聴こえ、他の9曲も遥か700年以上前の音楽が
今聴けるなんて幸福です。
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