音楽私小説（１３） 「血飛沫ギター」

で、
『今はもう誰も』がなんとか弾きながら唄えるようになった。と思う。

３回目か４回目の音楽室での“土曜日放課後フォーク・コンサート”に出る事に
なりました。

きっかけは、他のクラスの二人組が「今はもう誰も」を唄うと情報が僕の耳に入り
偵察のために練習を見に行くと、

「前奏（イントロ）のジャンジャンジャジャーンのとこ弾かれへんなぁ…」と

言っているのを小耳にして、

「あ、俺　弾けるで」の一言にこの二人組に混ぜてもらった。

この「今はもう誰も」のイントロはコードで言えば“A”-“Aｓａｓ４”の繰り返しのような
感じで始まるのですが、僕はこの部分も好きだったのでコピー・・・と言うよりマネしていた。

とにかく混ぜてもらって出たのですが、唄はこの二人が歌うのでギターだけの参加。

で、
なんとかドキドキしながらこの曲の演奏を終えると、僕のギターは血しぶきが飛び散って
まっ赤。
ギターから血がしたたり落ちていたのである。

（≒続く）