そういった事でピタゴラス先生は3つの“協和”(同時に鳴らした時によく響く)する
音程を発見しました。
それは、
*「オクターブ」・・・2対1の比・・・ギリシャ名「ディアパソン」
*「完全5度」・・・3対2・・・「デイアペンテ」
*「完全4度」・・・4対3・・・「ディアテッサロン」
の3つです。
この中で「オクターブ」は例えば(ド)の上の(ド)や、下の(ド)といったように同じ音名に
なるので音には「オクターブ」という範囲がある事もわかりました。
ようするにこの「オクターブ」の中にどれだけの協和する音があるのかを探すが次の課題
ですが、さてその方法は?
上にあるように当時は「完全5度」は「デイアペンテ」の名称で呼ばれていました。
1オクターブの中にまだ幾つの音があるのかわからないので5番目を示す「5度」
と付けられないのですから当たり前だと思います。
最初から「5度」や「4度」とわかっていれば少なくても「2度」「3度」もすでに知って
いる事になりますから。
いろいろな本を読むとどうもはっきりしないのですが一番分かりやすい他の音を探す
方法は「完全5度」をくり返す方法です。
まず(C/ド)から3対2の比の「完全5度」は(G/ソ)になります。
ただし何度も書いたようにこの場合も(C)や(ド)と呼んでいたわけではありません。
このような音名はもっと先の時代に付けられます。
あとひとつはこの「完全5度」ですが、これはただある音から5番目・・・だけの意味
ではなくて(半音)と(全音)の数も関係あります。
まず(半音)は音楽では0.5で表し、(全音)は半音二つ分の1.0といった数字を用います。
「完全5度」は、
1、ある音から5度上の音・・・例)ドで考えると①ド-②レ-③ミ-④ファ-⑤ソと
いうように(ド)と(ソ)の二つの音を同時に鳴らし時の音程の響きの事です。
(間のレ・ミ・ファは鳴らしません。ドとソのふたつの音です)
2、この二つの音程の間には「3.5」の広がりがあります。
これを説明しますと、(ド)の次は(レ)ですが、この間にはピアノでいえば黒鍵が
あるように“ドのシャープ/#・・・ドが半音高い音”か同じ音で“レのフラット/b・・・レの
半音低い音”があります。
このような同じ音で呼び方が異なる音をエンハーモニクス/異音同名と呼びます。
「完全5度」では、
①C/ド-(ド#=レb)-②D/レ-(レ#=ミb)-③E/ミ-④F/ファ-(ファ#=ソb)-⑤G/ソで
①と②は全音/1.0、②と③も全音/1.0、③と④は半音/0.5・・・ミが半音上がればファになり
その逆でファを半音下げるとミになります。つまりミとファの間にはピアノで黒鍵が
ないように間に音はありません。これが半音/0.5です(ただしギター等の弦楽器では出せますが…)。
④と⑤は全音/1.0で数字を全部を足すと『3.5』になります。
と言う事で、単に5番目の音だけでなくて全音3個分と半音1個分の3.5の広がりも完全5度
は持っている音程になります。
しゆあげいん
最近のコメント