1970年頃は喫茶店が急激に増えました。
この頃の日本経済は右肩上がりの好景気でいろいろな娯楽産業が賑わい、その中に喫茶店を経営する人が
増え“喫茶店ブーム”があります。そしてフォーク・ブームが訪れてそれまでコーヒーを楽しむための空間から(この
時代に初めてインスタントでない本物コーヒーを体験した人が多い)“ギター弾語り…それも歌謡曲でないフォー
ク”を“生で聴ける”“演奏出来る”舞台になりました。
昨日までは熱いコーヒーと軽い食事を出す店から、ひとり2人が弾語りの出来るスペースを作った(いや、場所を
空けた)店が急激に増えました。もちろんそのほとんどはステージなどなくて、それまでの店内のテーブル等を
隅に寄せてイスと譜面立てを置くだけのスペースですが、やがてもう少し本格的にPAなどもセットする喫茶店も
出てきました。
(こういった店なら経費の圧迫も少ないのですが時代と共に喫茶店そのものが商売として難しく閉めた店も多い
ですが)
とにかくこの時代はライブ・ハウスと呼ぶ程ではないけれどソロやふたりくらいなら演奏可能な店が繁華街以外でも
どこにでもありました。もちろんこういった思い付きのような店ではプロのゲストを招く事はほとんどなくてアマチュアだけ
が利用していますが、それでも楽しかった思い出です。
「○○駅」の前にある喫茶店も演奏出来るようになったぞ」という情報があちこちで聞こえて来また。
まあ、店側も飲み物等を注文してもらえば好きなように勝手に歌ってもいいよ、とフレンドリー。
とにかくこのような“喫茶店で弾語り”の出来る店がどんどん増えていくと案の定「…もっとしっかりとした音響設備を
整え、ステージもある店を作れば商売になる」との考えを持つのが哀しいかな企業の性。ほっておきませんな。後に
老舗と呼ばれるライブ・ハウスもこの頃に現れました。
もっとも今の大阪は壊滅状態ですが・・・。
それはともかくフォーク・ブームとの相乗効果によって“生演奏”が“聴ける”か“歌える”喫茶店とライブ・ハウスが多く
て気楽に演奏が出来ました。
アマチュアの出演者に対して『ノルマ』なんて無縁の良き時代です。
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