『The Pentangle/ペンタングル』 (Part2)

PENTANGLE/ペンタングルが1968年5月17日のファースト・アルバム『The Pentangle』を発表するまでの活動はあまり知られていなく大変興味深いものです。

バート・ヤンシュ（ギター＆Vo）、ジョン・レンボーン（ギター＆Vo)、ジャッキー・マクシー(Vo)、ダニー・トンプソン(ウッド・ベース＆Vo）、テリー・コックス（ドラムス&Vo）の5人が最初に「ペンタングル」のバンド名で出演したのは1stアルバムを発表する1年前の5月27日のフェスティバル・ホールの会場でした。

舞台上ではウッド・ベースのダニー以外の4人は椅子に腰掛けて演奏するスタイルが定番なのですが、この日の「ペンタングル」としての初ステージではヴォーカルのジャッキーはマイクの前に立った唯一のステージで、この日以降はバートとジョンの間でイスに座って歌うスタイルです。
その理由は、
＜ジャッキーの証言＞
「あの日、私はマイクの前に立って歌った。立ったまま歌ったのは、あとにも先にもあの日一度しかない。わたしは酷く緊張していて、膝の震えが止まらなかった。ずっとそんな状態だった。だから、これで最後にしよう、と決めて、それからは椅子に腰掛けて歌うことにしたのよ」

彼女はペンタングルのメンバーとして活動する前にもすでに、ジョンやバートとも何度も数多くのステージ（もちろんプロとして）をこなしているはずなのですが、さすがに大規模な会場、しかもこの日の大勢の聴衆の目的はペンタングルを聴きに来るのが中心だったのでさすがに緊張したようです。

この日の他の出演者は、オートリー・パターソンとクリス・バーバーのアイランド出身のジャズ・シンガー、そしてブルース・シンガーのスパイダー・ジョン・ケルナーらのクレジット。

このファースト・アルバムを発表する1年前にペンタングルとして正式に活動した彼らのステージでのパフォーマンスはまだ完全には固まっていなかった、ようです。

そしてこのフェスティバル・ホールのステージから3週間後にバーミング・タウン・ホールでのコンサートに出演しています。

　☆☆☆☆☆

＊「The Pentangle/The Time Has oome」のブックレットを参考/参照させていただいています。
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