「CRUEL SISTER/クルエル・シスター」
ペンタングルの4thアルバム「クルエル・シスター」は1970年の12月に発売されました。
実は4枚目になるこのアルバムは当時の音楽評論家等の批評も低く、またセールスにおいても芳しくなくペンタングル解散後に一番最初に廃盤になったアルバムです。
もちろん僕のようなファンにとってはやはり大好きなアルバムで、録音されている各曲もそれまでのクオリティが下がった訳でもありません。それより前作までのレコーディングをプロデュースしたポップス/ロック畑のシェル・タルミーからバート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンのソロ・アルバムをプロデュースしていたビル・リーダーに替わってペンタングル本来のアコースティック・サウンドが顕著になったのですから!
セールス的に今ひとつだったのは、それまでのようなバートとジョンの火花を出すような2本のアコースティック・ギターのインター・プレイが前面に出ていないのが少し物足りなく感じる、そしてブルースやジャズ風な曲が皆無で全曲がトラディッショナルを収めた事が原因なのかもわかりません。
しかし世界中のペンタングルのファンからは好評なアルバムなのも事実です。
≪曲目紹介≫
*オリジナルLPレコードではA面に4曲、B面に長尺な「Jack Orion」が1曲を占めています。
1.A Maid That's Deep In Love/恋する乙女
Jacqui:Vocal
Bert:dulcimer
John:acoustic guitar/electric guitar
Terry:triangle
Danny:double bass
この曲でバート・ヤンシュは初めてダルシマーを使用しています。
この“ダルシマー”と呼ばれている楽器は、アメリカのニュー・イングランド地方やアパラチア山脈地方の民族楽器のひとつで、膝の上に置き(弦が上向き)、鳥の羽骨で弦を弾く楽器です。単旋律よりはギターと同じくコードを掻き鳴らしながら伴奏として歌い、バートがこの曲で弾いているは、多分この音色からアパラチア・ダルシマーと呼ばれるものだと思います。
ジョンはギブソンのアコースティック・ギターJ-50にこのアルバムからやはり初めて録音に使用したエピフォンのセミ・アコースティック・ギター335にファズをかけてオーバー・ダビングしています。そしてダニー・トンプソンのダブル・ベースがいつものようにかっこ良く加わり、テリー・コックスはこの曲ではドラムスを使わず他の曲でも使っているシンプルなトライアングルです。
この4分の3拍子で5分30秒のトラッドは「Female Drummer」として知られているイングランド・バラッドの一種のようです。
(歌詞/訳)
私は深く恋する乙女
ですから不満もあります
心から慕う人はこの世にただひとり
その名をジミーと言います
恋人に会えないとなれば 嘆き悲しみが絶える事はありません
ですからジミーの後を追い探しに行きます
自由の国を隅から隅まで
この栗色の髪を短くし
男の服を着ることにします
肝の大きなある船長の船を契約をして
船賃は働いて返しましょう
そうしてジミーを追います
自由の国を隅から隅まで
海が荒れるある夜のこと
眠りに就こうとしていると
船長が声をかける「お休み少年よ お前が女であったなら
その薔薇色の頬 赤い唇 なんともそそられるぜ
いや 全身全霊をこめて願う お前がわしのものであれば と」
「お言葉が過ぎます船長
そんな事をおっしゃっても無駄というもの
船乗りたちに気付かれれば大笑いにされます
コロムビアの港に着いてしまえば
もっと綺麗な娘が大勢いますよ」
一緒に歌い笑って口説くのでしょう
娘を見れば口説いているのですから
それから三日と経たないうち
船は岸へと着きました
「さらば恋する船長 永久にさらば」
ひとたび船乗りとして海に出たものの
今は岸に上がった乙女です
さようなら船長さん、船乗りの皆さん
二度と一緒に船には乗りますまいが
戻れ、戻ってくれ、可愛い乙女よ
戻って夫婦になってくれ
一万ポンドの金貨がある お前にくれてやるから
戻れ、戻ってくれ、我が麗しの乙女よ
戻って夫婦になって欲しい
・・・
この続きが気になります。
彼女は無事に恋人ジニーに会えたのか?と。
女性が男装して恋人に会いに行く、探す…物語は前回の3rdアルバムの「SOVAY」と同種のバラッドだと思われます。
(to36)
☆☆☆☆☆
*昨日日本時間の3日午前4時にNASAが「地球外生命体の証拠の探索に影響するであろう宇宙生物学上の発見」を発表するニュースがありました。
このためネット上で「地球外の生物の発見!?」「宇宙人を発見!?」の憶測が広がりましたな。
…ちゃうやん。
有毒なヒ素を摂取するバクテリアが米カリフォルニアの塩湖で発見され、この事はそれまで考えられていた生物にとって必要なリンの代わりとしてヒ素を摂取して生きる事が出来る生物が存在したので、これまでバクテリアであろうと生物は存在しないと思われていた惑星にも可能性がある! って事ですな。
もうひとつのニュースは久し振りにネス湖のネッシー!
この大物の伝説のモンスターの最新の写真が撮られたようです。
まだその画像は探していないのですが、何者かの生物が泳いでおり三つの大きなコブが水上に見えた…。
との写真を撮った本人の弁。
探そ。
ネッシーは例の“外科医の写真”が有名でしたが、残念ながら作り物と本人の告白もありました。でもCGがまだまだ世の中に出ていない頃の35㍉フィルムの映像の真偽はどうなっているのでしょうか。
確かイギリスの造船業メーカーが世界で最高スピードを出す実験のために水上を猛進するモーター・ボートに斜め方向から水中の何者かの“泳ぐ”波と激しくぶつかりボートが爆発したショッキングな映像。
この映像はその会社の実験記録としてプロのカメラ・マンが撮影していた、いわば信頼出来るものと思いますが。
今では古典的な「ヒマラヤの雪男」も、日本人登山家が毎年ヒマラヤに赴いて何年もかけて現在も研究しています。
わたくしはこの「ヒマラヤの雪男」が一番信憑性があると信じています。
意外な目撃例が多いので。
ヒ素食って死なないバクテリアより、やっぱり雪男ですね。
イエティも気になりますな。
*ウィキリークスのリークした米外務省の公文記録の漏洩なんかより、エイリアンについての各国とのやりとりの公式文章が出ていればおもしろいのに。
コメント
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