4.Cruel Sister/クルエル・シスター
約7分のこのアルバム・タイトル曲で、オリジナルLPレコードではA面の最後の曲になります。
Jacqui McShee:vocal
Bert Jansch:acoustic guitar & vocal
John Renbourn:sitar & vocal
Terry Cox:drums & dulcitone & vocal
Danny Thompson:double bass
ジョンはこの曲でもシタールを弾きバートのギターとジャッキーの歌う旋律のオブリガード・プレイを聴かせてくれます。
まずはこの長尺なバラッドの訳詞を載せます。
*北海の辺(ほとり)にひとりの婦人が住んでいました
a(芝を編んで綺麗な帯に作りましょう)
二人の女の子を産みました
b(ファララ ラ ラ ララ… ラ ララ…)
*一人は陽の光のように眩しく育ちました
(a)…繰り返し
姉のほうは炭のように黒い娘になりました
(b)・・・繰り返し
*婦人の前にひとりの騎士がのりつけました
(a)
娘たちに求婚するため遠くから来た者でした
*騎士は片方の娘に手袋と指輪で求婚しました
(a)
けれども今ひとりの娘のほうを この世の何よりも愛していました
(b)
*妹よ 散歩に出かけましょう
(a)
海を船が渡るのを見に行きましょう
(b)
*娘は妹の手をとり
(a)
北海の岸辺へと引いてゆきました
(b)
*風吹き渡る岸に立ちました
(a)
色黒の娘は妹を突き落としました
(b)
*娘は海に浮きつつ沈みかけていきました
(a)
姉に叫ぶ、手を伸ばして助けて下さい
(b)
*姉さん、お姉さん、助けて下さい
(a)
わたしのものは何でもみんなあげますから
(b)
*わたしが手に入れてやるのはお前の思いの人だけよ
(a)
お前はもう岸にあがれないのよ
(b)
*そこに娘は浮いておりました 白鳥のように
(a)
潮の海は娘のからだを支えておりました
(b)
*吟遊詩人が二人 同じ岸辺を歩いておりました
(a)
乙女が岸に流れ着いたのを見つけました
(b)
*吟遊詩人たちは娘の助骨でハープをひとつ作りました
(a)
その音は石の心さえもとかすほどでした
(b)
*栗色の娘の髪の毛を三束とりました
(a)
それは愛ずらかなハープに弦を張りました
(b)
*吟遊詩人たちは娘の父の館にまいりました
(a)
皆様方の前でそのハープを弾きました
(b)
*詩人がハープを石の上に置きました
(a)
ハープはひとりでに歌いだしました
(b)
*一本目の弦は憂いに沈んだ音を奏でました
(a)
花嫁は妹を溺れさせたと
(b)
*詩人が奏でようとすると 二本目の弦が歌いました
(a)
黒髪の花嫁は怖れに凍りついておりました
(b)
*弓を当てると三本目の弦が歌いました
(a)
すると娘の眼から涙がこぼれました
(B)
この他にも「Two Sisters」のタイトルでも広く知られている英国伝承のバラッドです。
歌詩を見ると全編を通して(a)と(b)の部分が間に入っているのですが、日本の民謡で言えば“お囃子”と同じようなもので実はこの物語とは全く関係のない詩なのです。
トラディショナル・バラッド…伝承物語歌…の起源は定かではないのですが、このように同じリフレインを待つ歌は、もともとがダンスを伴っていたようで、日本の童歌の中にも子供が輪になり手を繋ぎ踊りながら歌う曲と同じようなものだと思われます。
歌詞を見るとわかるのですが、ストーリーに詳しい状況の描写は歌詞の中にはありません。
そしてこれを歌う者も感情を込めずに、言わば淡々と歌う…聞かせる…ような歌い方が伝統的で、物語の登場人物も没個性的で善人や悪人などをそれほど強調もしていません。
僕自身はまだまだトラッドには精通していなくて勉強中なのですが、大変魅力的なジャンルの音楽です。
(to 38)
☆☆☆☆☆
*ここ数日の間にいよいよ冬到来の感のある冷え込みが来たので、そろそろ冬眠の準備をしようかと思っています。
*ウィキリークスですが、残念な事に未だUFO関連の情報が出ない! 閉鎖になる前に
はよ出せ。
*先日の北朝鮮から韓国へ砲撃があった時は「…戦争に!?」と一瞬思いましたが、現在のところ一応は平静でなによりです。しかしいくら戦争は二度と起こさない、と平和を謳っていても何がきっかけで有事になるかわからない世の中です。この平和ぼけに長い間を享受している日本も。すぐにちょっかい出す例の国がおるので油断が出来ない。
*子供の頃、小学生の時に親に連れられて大阪は心斎橋筋商店街を歩いていると頭や体に包帯をして松葉杖を突いて歩く大人を何度も見ています。着ているのは軍服。1970年前だと思いますが、まだその頃には戦争に名残りがあったようです。
もちろんその人達が本当に戦争で負傷した方なのかはわかりませんが、平和ノーベル賞を受賞した故佐藤栄作総理大臣の「沖縄が日本に返還されるまで“戦後”は終わらない」と言ったのを思い出しました。
最近、戦争は自分が思っているより身近に…恐い事ですが…感じて来ました。
ただ第二次大戦と大きく異なるのはアメリカ合衆国や英国は敵ではなくて今は味方で同盟国なのだと。
らぶ あんど ぴーす
コメント
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