昔から劇場映画作品やTV映画、ドラマ(海外作品だけですが)をよく観ています。
映画のジャンルはSF、ホラー、サスペンス、西部劇、社会派、ファンタジー、犯罪モノ、戦争…等などミュージカルと日本の映画以外はなんでも観る雑食性です。
中でも歴史上の音楽家を主人公にした作品は必ず観ていますが、やはり他のジャンルの作品と比べて残念な事に少ないですね。
その中でもモーツアルトやベートーヴェンがやはり映画の題材、脚本化を比較的し易いのか数年に1本は作られるのですが、バッハを主人公にした作品は少ないですね。
モーツアルトは彼の父との書簡が山のように残っているので当時の様子がよくわかるのと、やはり本人が非常に個性的な性格なので脚本がやりやすいのかもわかりません。
と、言っても『アマデウス』が作られる前までは教育用の真面目な作品ですが…。
ベートーヴェンの場合も彼の女性遍歴、自殺をするための遺書や耳が聞こえなくなる病気のためにやはり作品化をしやすいと思われます。
で、バッハの場合ですが、唯一有名な映画は『アンナ・マクダレーナ・バッハの日記』(「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記」のタイトルが公開時の作品名)です。
この作品をかなり前にDVDで購入して観ているのですが、内容は物語性を極力排してドキュメント風に撮られています。
最初からエンド・ロールまで非常に静かに淡々と進み、会話もほとんどありません。
出演者は本物の音楽家、演奏家なのでチェンバロ等の演奏シーンは本物なのですが、ドラマ性がほとんどみられず初めて観た時は退屈でした…。
もともとバッハにはスキャンダルが全くと言ってよいほど無く性格も非常に真面目で温厚な人柄で、アンナ・マクダレーナは彼の二人目の奥さん(ひとり目の奥さんとは死別)で彼女も一生を夫のバッハに尽くした女性です。
書いた楽譜の隅っこに「ワインが値上げ。高い」とかの走り書きや手紙で「あなたの教会のミサで私の若い弟子達に演奏させていただいていますが、もう少しギャラを上げて欲しいのと、彼らが演奏するにあたって初見ではまだ難し過ぎる楽譜です…云々」や彼の兄弟がワインを馬車で送って来た時に「途中で半分程がこぼれて少なくなっているので、実にもったいない。もう送らなくてよい」等の手紙や書簡が残っている位なのでやはり映画化は難しいでしょうね。
誰かJ.S.Bachを主人公にした手に汗握る作品を撮ってくれないものでしょうか…!?
---------------------- 広岡祐一/2012年1月26日 記--------------------------------
PS:やっぱりフーガはいい!!
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