~The Pentangle/1stアルバム~
1968年5月17日にペンタングルのデビュー・アルバムは英国トランスアトランティック・レーベルより発売されました。
40年以上経った2010年の今聴いても音楽史上に比類のないアルバムで、よくぞ巡り会えたと音楽の神様に感謝しています。
この記念すべきアルバム発売の各音楽雑誌のレビューの中で世界的に有名な『メロディ・メーカー』の編集部では、ジャズ専門のライターとフォーク専門のライターの双方に依頼し前代未聞の二つの記事を掲載しました。それほどにどのジャンルに属するのか難しい音楽の個性を持ったグループがペンタングルなのです。例えばジャズとロックの両方の音楽性を持つならば「クロスオーバー・ミュージック」としてのジャンルがありロックもジャズにもブルース色はもともとありますがペンタングルのようなブリティッシュ・トラッドからブルースやジャズ色までひとつの個性として備わっているバンドは彼ら以外には今もって現れていません。
『THE PENTANGLE』
*ジャッキー・マクシー・・・ヴォーカル
*テリー・コックス・・・ドラム/パーカッション/グロッケン/ヴォーカル
*ダニー・トンプソン・・・Wベース/ヴォーカル
*バート・ヤンシュ・・・アコースティック・ギター/ヴォーカル/バンジョー
*ジョン・レンボーン・・・アコースティック・ギター/ヴォーカル/シタール
~ペンタングル・ファースト収録曲~
1.LET NO MAN STEAL YOUR THYME/レット・ノー・マン・スティール・ユア・タイム(2:37)
ダニーのベースの印象的なボーイング(弓で弾く奏法)から始まる、ジャッキーが姉妹でのデュオ時代から歌っていた一般的に「The Spurimg Thyme」として知られているトラッドを全員でアレンジしたヴォーカル入り曲。何100年も前から歌い継がれている曲で歌詞はかなり意味深です。
Come all you fair and render girls
That flourrish in your prime,prime
Beware,beware,keep your thyme
Let no man steal your thyme
若く乙女の時にいる美しい娘たちよ 気を付けなさい
純潔を失わないように あなたの庭に咲く花を奪われないように
純粋な心を奪われないように
For when your thyme it is past and gone
He'll care no more fou you
And in the place your thyme was waste
Will spread all over with rue
Will spread all over with rue
若さを失えば男達はあなたに興味を失う
荒らされた庭には もう何も残らない
そこにあるのは悲しみと後悔 そこにあるのは悲しみと後悔
A woman is a branchy tree
And man's a clinging carelessly
He'll take what he can find
He'll take what he can find
女という青々とした樹木
男は纏わりつき その枝から
欲しいものだけを見つけて奪ってしまう
欲しいものだけを見つけて奪ってしまう
正確な訳は僕には出来ませんがこのような歌詞を唄っているトラッドです。
Dドリアンのメロディを待つこの曲をヴォーカルのジャッキーは伝統的なトラッド歌手のように淡々と歌い、ジョンとバートのギターは表現のしようのない抑えたテンションで奏でています。この曲は後日シングル盤としても発売されて、コンサートやライブでも定番の曲となっていて、この曲を演奏するTV番組を見ましたがバートもジョンもベースとドラムをバックにしてもピック・アップを付けずに弾いています。
2.Bells/ベルス(3:52)
「Bells Of St.Mary's」がもともとのタイトルで、ジョン・レンボーンのブルージーなフレーズから始まるAドリアン・スケールのこのオリジナルのインストゥルメンタル・ナンバーは、アルバム最後のインスト曲「Waltz/ワルツ」同様に非常に独創的な調べを聴く事が出来ます。
まずジョンが考えたテーマにバートのギターが絡んでゆき即興的にダニーのベースとテリーのドラムが加わって4人で作り上げどのジャンルにも入らない個性的を持ち、ドラム・ソロがフィッチャーされています。
しかし、今思うとこの曲もステージで演奏していたのだから当時リアル・タイムで彼らの演奏を目の前で聴けた人が大変羨ましく…いや、妬みます。
3.Hear My Call/ヒア・マイ・コール(3:01)
60年代に活躍しているスティープル・シンガーズのゴスペル曲をペンタングルはAキーで4/3タイムのシンプルなブルース・チューンにアレンジをしたヴォーカル入り曲。
オリジナルのスティープル・シイガーズの曲を聴くと、全くブルース・ナンバーではなくて僕にはそれほど印象は残らないゴスペル曲だったのですが、この演奏、とくに間奏でのジョン・レンボーンのソロが超ド級にかっこいい!
ここで聴けるこのフレーズは、ライブ録音を聴いたところアドリブでなくて完璧に作りこんだのではないかと思うのですが…。
4.Pentangling/ペンタングリング(7:02)
バンド名であるペンタングルを模じたタイトルであるこのキーがEmの7分の長尺な曲は、ヴォーカルが入ったインストゥルメンタル曲?と思うナンバーで彼らのステージでの定番曲でした。
メンバーの誰かが作った曲を全員でアレンジしたのではなく最初から全員で、しかも歌詞もみんなでしかも即興的に作り上げたこの曲はまずジョンのギターとジャッキーの歌声から始まりダニーのベース、テリーのドラム、それに続いてバートのスナッピング奏法でのヒステリックなギターが入ります。
途中からジャッキーのヴォーカルにバートも加わり、やがてジョンのソロからダニーのベースのソロになり、ラストもバートの掻き鳴らすワン・コードの上にアドリブが重なり唯一この曲だけフェード・アウトされます。
ヴォーカル曲としてもインスト・チューンとしても楽しめる曲です。
以上4曲がLPレコードではSaidAに収録されている曲順になり、ドキドキしながらレコードのB面に針を落します。
*Part10へ
お疲れで~す しかし 広岡さんに こんな文才があったとは…高校生の頃は ぜんぜん分かりませんでしたなぁ(笑)
私は今年の10月に 東京の『日本イラストレーター協会展』に絵を出品します 市ヶ谷の『山脇ギャラリー』です 来年の5月には オーストラリアに出品します どちらも販売しますので どうぞ皆さん よろしくお願いしま~すm(_ _)m
広岡さん 宣伝させてもらって すんません CDは好評のようですなぁ とにかく広岡さんはギターが お上手ですよぅ ご自分の世界を持ってはるぅぅぅ ではでは^^
投稿情報: 笛吹ピエロ | 2010/08/11 14:37
>笛吹ピエロ様
残暑お見舞い申し上げます!
コメントをども!
文才なんてありませんが、お褒めの言葉をありがたくいただきます!
イラスト、がんばっているようで僕もうれしいです。
と、言うよりイラストで食べているのが本当にすごいと思います。
宣伝も多いに結構なので、ネットで注文できるならまた教えて下さい。
投稿情報: ゆうすけ | 2010/08/11 20:58