ペンタングル、バート・ヤンシュ、ジョン・レンボーンそしてディヴィ・グレアム等の“ブリティッシュ・フォーク”の世界には“バラッド”と呼ぶジャンルの音楽があります。
ポップスやジャズ等には「〇〇のバラード」等のタイトルを付けた曲もありますが、このバラードとバラッドは関係はありません。“バラード”は叙情的…歌詞の内容や歌い方に哀愁、憂いを込めて情感たっぷりにゆったりと歌う曲…等の音楽ですが“バラッド”はその殆どが年代、作者不詳で民衆の間で口承により古くから伝わってその歌詞に物語性を持った“唄”…と言えます。
このバラッドの中にも“伝承バラッド…トラディショナル・バラッド”と“ブロードサイド・バラッド”に大きく二つに分けられます。この“ブロードサイド・バラッド”は英国のエリザベス一世が治世していた1558年~1603年頃のエリザベス朝時代に生まれたモノです。これは当時の市井に起きた事件、それもスキャンダラスな事件を街の歌作りが作り、その歌詞を印刷して売っていた言わばプロの唄になります。今のタブロイド版の新聞と似ていますが、ペンタングル等が歌っている多くは民間伝承による“トラディショナル・バラッド”です。
19世紀の後半にハーヴァード大学で言語学、中世文学、民間伝承を研究して来たフランシス・ジェイムズ・チャイルド教授が年月を費やしたバラッド305種類を5巻に編纂した書物を出版しました。
ここに掲載された305編の一篇毎に番号が付けられており、現在は各バラッドを「チャイルド・ナンバー〇〇番の…」と呼んでいます。
先のペンタングルの「クルエル・シスター」も“チャイルド・ナンバー10番の「二人姉妹」の別バージョン”等…といった言い方です。
こういったひとつのバラッドには別のバージョンが数種存在もします。これは口から口へと伝承されているうちに記憶違い…別のバラッドと混ざってしまったり、忘れた箇所を自分で補ったり、自分の考えを加えたりなどなど…で様々な亜種が伝わり、別のバラッドのメロディで歌っているものも多く、歌われる物語の決着が変化しているのもあります。その他にも歌詞の中に妖精や怪物、それに超常現象なども出て来るのが多くあるので、時代的にはキリスト教が成立以前から伝わった古いバラッドがあり有名なのは「スカボロ・フェア」等です。
音楽的には現在の一般的なポップス等にみられるようなAメロ、Bメロ、サビ…のようなスタイルではなく、四行一連の詩の体裁を備え、この連形式がくり返され同じメロディを持つ音楽形式が多くみられます。
ようするに現在の音楽の主流のサビ“盛り上がるフレーズ”等はありません。
この事はバラッドの発生時期がかなり古い年代になると思われます。
歌われるメロディは現在の長調、短調の元になった“教会旋法/モード”で旋律が作られているようです。このグレゴリア聖歌にみられるモードで作られた音楽は、歌う場合にも普通に話す時の口の動き、大きな声で感情を込めて歌う音楽はまだ生まれていないので音階も1オクターブ内で収まる歌い方になります。
もちろん現在のような和音(コード)の概念もまだなかった時代です。
また物語の登場人物は感情表現や情感を表す言葉等を排し没個性的です。従ってバラッドを歌う者も歌詞に感情や情感を込めずに淡々と言わば聴く者に“伝える”歌い方が本来のバラッド歌手のスタイルだと言われています。
そして楽器での伴奏は出来る限り控えめ、出来ればア・カペラ(修道院内無伴奏歌)のスタイルと同じく楽器の伴奏なしで歌うのが一昔前までの英国での伝統でした。
しかし、バート・ヤンシュ、ディヴィ・グレアム、マーチン・カーシー等のギター等を伴奏楽器として前面に出すスタイルで歌う若きミュージシャンが出現し、それに続く多くの若いミュージシャンが現れ後に続きました。
(…なんとかまとまった…かな?)
☆☆☆☆☆
*ウィキリークスのUFO情報はまだ?
*アメリカTVドラマにハマっているんですが「レバレッジ」がおもしろいですな。
登場人物は元保険金詐欺の調査員のネイサンをリーダーに、あらゆるセキュリティ・システムを突破する運動神経抜群のパーカー、銃器や兵器に精通し武術に秀でたエリオット、コンピュータに精通しているアレックス、本業の舞台では超二流だが実社会では本領発揮の女優のソフィーらの5人のメンバーが巨大な悪徳企業を退治する…ブラピが出ていた劇場映画の「オーシャンズ11」のTV版といった内容。ただリーダー役のネイサンは名優ティモシー・ハットンなので毎回見応えのあるエピソードになっておりわたくしのお気に入りドラマになりそうで、毎回一話完結でコメディ要素も随所にありおもしろいドラマです。
*あと二十日程で2010年も終わって2011年に突入。
子供の頃は「2000年」はSF映画のように“空飛ぶ車”“誰でも宇宙旅行”“動く歩道”等などの世界だ!とみんなが考えていましたが…。
ま、昔に思い浮かべた未来のマシーンに近いのはiPadくらいですな。指で触って画像が思い通りに動ちゅうやつ。
*いまバッハのリュートのための曲をギターにアレンジしているのですが…難しい!
ギターでは演奏不可能な箇所を演奏出来るように編曲するのですがなんでもいい、ってわけでもないので勉強中。
最近のコメント