リュート/LUTE
形状が西洋梨を縦に割ったような形なのでギター属とは区別されていますが、16世紀では他の楽器の追随を許さない程の人気がある不動の地位を占めた楽器でした。
糸巻きにあたるヘッドの部分が真後ろに角度が付いているのは、狭い場所で合奏する時にも邪魔にならないような配慮と考えられています。
弦は6コース(2本の弦が対になっている)や、16世紀後半では7コース、8コースの弦を待つスタイルまで現れその人気が覗えます。
各弦には名称が付いていてギターにあたる①弦の高音弦から「トレブル」「スモール・ミーン」「グレイト・ミーン」「コントラテナー」「テナー」「バス」と呼ばれて、現在ではリュート曲がギターにアレンジされた楽譜が多くあるのですが、その理由のひとつに作られた曲が多い、楽譜が残っている…等の理由からです。
リュートの楽譜は5線譜でなくてタブラッチュア譜で記されており、現在のギター譜によく見られる「TAB譜/タブ」の原型で、押える弦のフレットの位置は数字でなくてアルファベッドでした。
aは開放弦、bは1フレット、cは2フレット・・・といったような書き方です。
とにかくこの楽器は人気が高く1590年にデンマークのアン女王がエジンバラ入りしたことを祝した詩には「楽器の唯一の王リュートで弾き、歌ったものもいた…」が残っているほどです。
舞曲での伴奏、独奏、合奏、そして弾き語りにもよく使われ、多くの作曲家や優れたリュートの演奏家も出ています。
------------ 広岡祐一 -----------
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