中世~ルネサンス~バロック音楽などの古楽も好きなので、CDの購入や楽譜の取り寄せもしていますが、とくにバロック音楽の、それも初期の舞曲を組曲にしたのがお気に入りです。
この時代の舞曲には「メヌエット」「サラバンダ」「ジグ」「ブーレ」「ガヴォット」等を組み合わせて組曲で演奏、作曲されていますが中でも「メヌエット」が当時は人気があり、今聴いてもなんとも言いようのない美しさがあると思います。
がしかし、本当にメヌエットと呼ばれるこの舞曲をどこまで知っている、理解しているのか?と考えると「さて?」となりましたので初心に還って調べてみました。
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このバロック(ルネサンスは当時の社会的に地位の高い学者が銘々した社会運動の呼び方ですが、バロックは後世の学者が付けたもので、主に建築、絵画等の美術の様式用語で音楽用語ではなかった)と呼ばれる時代の宮廷音楽として舞曲は盛んに演奏され踊っていたのですが、もちろん一般庶民ではなくてその土地の上流階級、社会的に地位の高い…つまりお金持ちの人間が宮廷に招待されていました。
「〇月〇日〇時より〇〇の間で舞踏会を催すので招待します」とかの招待状が宮廷から来る上流階級の人間は栄誉でもあるのですが、ホントは王侯貴族によってその力を持っている土地の実力者が変な考えを持たないように常に監視する目的が主だったそうです。
と政治的な考えもあるのですが、このメヌエットは各舞曲の中でも一番難しい踊り(ステップ)だったようです。
当然招待された人間はこのステップを覚えて王の前で踊らなければなりません。
まして舞踏会に今までになかった「メヌエット」と呼ばれる舞曲が初めて演奏されると知らされると、必死になって踊りの先生を雇い舞踏会当日までに覚えなければ恥じをかきます。
メヌエットは17~18世紀の貴族社会においては優雅さの象徴でもあり、名前の由来は「pas menu/小さなステップ」から来ているそうです。
1670年頃のフランスはルイ14世の宮廷でリュリの音楽によって演奏され踊ったのが最初と言われています。
その後18世紀にはヨーロッパ中のどの宮廷でも一番人気のある舞曲となりました。
しかしこのメヌエットのステップは「毎日2時間のレッスンを続けて半年で踊れるようになれば天才」と言われるほどに難しい舞踊でもあったようです。
日本で有名な(TVで時々見る)明治維新後の西洋舞踏場である「鹿鳴館」では、この舞曲のステップがあまりにも難しくて演奏された(踊られた)記録はないそうです。
舞踏の形態は男女のペアのダンスで一組ずつがみんなの前で踊りを披露する様式で、一回の演奏時間も他の舞曲よりかなり長く、始まる前はこれに参加するために記帳までしたようです。
人前でも気に入った男女二人が堂々と長い時間を踊る事が出来るのがメヌエットなので人気爆発!
☆次回(覚えていたら)このメヌエットをより音楽的に詳しく解説予定!(は未定だ)
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