でもコードの「F」が出て来る曲も少なかったので気をとり直して生きる。
「お前 F 鳴るかぁ?」
「鳴らんしFが出て来る曲はせえへん」
とかの話が学校でも出来るようになり少しうれしかった。
この当時のもうひとつの趣味は小説のおもしろさに目覚めた事で、
ギターとは別の友人に「星 新一」氏「小松左京」氏「眉村 卓」氏、
「江戸川乱歩」氏などの国内のSF作家から海外の作家「アーサー・C・クラーク」等の
大御所の書いたモノまで教えてもらった。
これはもう将来は作家が僕の生業だ。
ギターの練習もそこそこに今度は小説を書く。
この友人と彼の友人数人と僕とで「SF小説クラブ」なるものを学校のクラブに申請する
べく職員室にみんなで行って嘆願するが、
「現時点で正式な部活とは認められないけどサークルとして許可」と認可される。
そこでいかにもクラブ活動をしているように毎月サークルの会報を出す事にした。
ひとり一篇~二編ほどのショート・ショート風の小説を自作してその原稿を持ち寄り
ザラ半紙に印刷する。その会報紙の名前は「星間物質」。
2号で廃刊したので再びギターに戻る。
もうこの時期にはラジオの深夜放送を聴くのが生活の一部になっており、
寝るのも夜中の3時過ぎ。
番組は毎週(月)~(金)の深夜にオンエアされていた大阪毎日放送の「MBSヤングタウン」か
放送時刻が少し重なる大阪朝日放送の「ABCヤング・リクエスト」。
とくに「ヤングタウン」は毎日その日の夕方に大阪千里丘にあったスタジオに200人程
のリスナーを集めてのライブ録音で目玉は「今月のうた」のコーナー。
この「今月のうた」は番組放送の(月)から(金)の一ヶ月事に同じ曲が放送される。
つまり同じ曲が一ヶ月の間この「ヤンタン」で放送される。気に入った曲はハガキで
申し込むと歌詞の上にコードが記された簡単な歌詞カードを送ってもらえた。
もちろんこの時の曲は今や日本中を巻き込んでいる「フォーク・ブーム」なので
フォークなのだが全てアマチュアのオリジナル曲が中心。
この「今月のうた」が当時のフォークのプロの登竜門でもあり、みんなが「今月のうた」で
自分の曲を一ヶ月間放送してもらおうと虎視眈々と狙っていた。
目標が出来た。
(≒続く)
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