ペンタングルが4thアルバム「クルエル・シスター」をリリースした1970年は、全英、全米そして北米、ヨーロッパの各都市でのコンサート・ツアー、各TV番組、ラジオ番組への出演、そしてTVドラマ、劇場映画作品のサントラの製作などで超過密スケジュールの1年でした。
10月17日のプリストルでのコンサート前にはバート・ヤンシュのジョン・ベイリー制作のカスタム・ホームメイドのアコースティック・ギターとジョン・レンボーンのセミアコが盗まれるといった事件も起りました。
この愛用のギターが盗難に遭ったせいでこのコンサートはキャンセルされたのですが、とくにジョンは大きなショックを受けています。懸賞金100ポンドをかけて二人のギターの行方を捜したのですが結局は未だに戻っていません。
翌年の1971年は数回のコンサートや散発的なレコーディングを行ったものの春に予定されていた全米ツアーが中止になりメンバーにとって久々に多忙なスケジュールから開放されました。
また英国での音楽シーンにも変化があり“フェアポート・コンヴェィション”や“スティーライ・スパン”等のエレクトリック・トラッド・バンドが脚光を浴び始めて来た年でもあります。
ペンタングルは次の5thアルバムの制作のためにロンドンのピカデリーに新しく完成した“コマンド・スタジオ”に予約を入れます。
この英BBCのスタジオを改装した“コマンド”は、録音機器等はアメリカから輸入した当時の最新の音響設備を備えた録音スタジオでしたが、マイクがなんと2本の用意しかなく、またこのスタジオのスタッフが今まで使っていたイギリス製の機材と違うために誰も操作方法を理解出来ていませんでした。
そこで外部の知識のある技術者をなんとか見つけ、結局はレコーディングが終わるまで協力をしてもらいましたが、この頃からペンタングルはマネジャーやメンバー同士の人間関係に小さな摩擦が出て来た時期にもなります。
スタジオに予定時間通りに入るのはベースのダニー・トンプソン、ドラムのテリー・コックスで、バート・ヤンシュやジョン・レンボーンの二人はどちらかが時間になってもなかなか現れない、または両方共来ない事もあり、メンバーが全員揃ってのレコーディング中にはミキシング・デスクが突然に火を吹いて燃え始める、といったハプニングも起りました。
それでもなんとか無事に最後のトラックまでレコーディングは進み彼らにとって5枚目のニュー・アルバム『REFLECTION』は完成しました。
(to 40)
☆☆☆☆☆
*ここ数日中にどうやら冬へと季節が移ったのか随分と冷えて来ました。
といっても大阪なので北国に住んでいられる方にとってはたいした寒さではないと思います。
*しかし先日のPCのトラブルは一体何だったのか?
例えば怪しいサイトを閲覧した後や何かソフトをインストールした直後にはトラブルが起るのですが、な~んにも心当たりがありませぬ。
なのでウイルス等に感染したのではないのでウインドウズ自体のエラーだったようです。ま、とにかく。
*ギター等でチューニングする場合、昔のように音叉も使いますがデジタル・チューナーも使っていますが、最近はこのチューナーをよく見ると基準音A(ラ)のピッチが440から441~442に設定されているのが多いようです。
クラシックの世界では441~442あたりがすでに標準になっているのは知っていましたが、バッハ等の古楽の世界ではA=415もよく聞きます。この事は「絶対音感」を持っている人にとってはKeyCの楽譜をみながら頭の中ではBbで演奏している事になるようです。
これは難儀なこと。
ヨーロッパでは450もあると聞きました。
それはともかくA=440を世界の音楽の標準に設定されているですが、なぜ440ヘルツなのか?
なんでも、世界中の国や人種に関係なく生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声が440にもっとも近い、からだそうです。
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